WEB×AI活用10選レポート
――“調査→要約→提案”までを一気通貫で回す最新ワークフロー
Web制作現場で今すぐ使えるAI活用を10項目に整理。初回ヒアリングの整理、競合比較、ファーストビュー文案、トーン調整、FAQ、SNSタイトル、画像alt/キャプション、納品後の提案、運用マニュアル、アンケート要約までを「狙い/やること/プロンプト例/コツ/指標/注意点」でテンプレ化。末尾にコピペで使える3ステップCTA付き。
1. 初回ヒアリングメモ → 課題整理
狙い:ヒアリング直後の情報を「要望/課題/背景/制約/優先度」に分解し、提案書の骨格にする。
- メモ全文を貼り付ける
- 出力形式を指定(表/箇条書き/JSON)
- 提案に直結するKGI/KPI/制約へマッピング
以下は初回ヒアリングのメモ全文です。要望・課題・背景・制約・優先度に分けて整理し、
Web制作の方向性(UX課題→仮説→打ち手)と、見積もりに入れるべき要素を抽出してください。
最後にKGI/KPIの仮設定と、ミニ/標準/拡張の3プランを提示してください。
- 「課題→打ち手→想定効果」を1行化すると共有が速い
- 制約(CMS/運用人員/予算/法令)は最上段に明示
- 要件の抜け漏れ再指摘率
- 初回提案までのリードタイム(h)
注意点:事実と仮説が混在しやすい。Fact/Assumptionでラベル付け。
2. 競合分析サマリー → 差別化の芯出し
狙い:5社比較の「違いが分からない」を解消し、勝ち筋を一枚で提示。
- A〜E社のH1/CTA/導線/証拠(事例・数値・権威付け)を抽出
- LPの共通骨格とギャップを要約
A〜E社の調査メモを比較表にし、①第一印象 ②メインCTA ③社会的証明 ④導線 ⑤SEO仮説 を並べてください。
当社が優位になれる差別化ポイントを3つに要約し、LP構成の目次案を出してください。
- ファーストビューは「価値の約束+証拠+CTA」で固定
- 比較表は「勝ち筋」を太字にして視認性を上げる
- CTR / CVR の初期仮説値
- ファーストビューのスクロール開始率
注意点:競合の演出に引っ張られない。非価格の強みを先に宣言。
3. ヘッダー(H1/キャッチ)の10案生成
狙い:「一言」の生産性を10倍に。選ぶだけの状態へ。
- ターゲット/便益/不安/差別化を変数として渡す
- 10案 → 3系統にクラスタリング → A/B/Cテスト仮説に
美容室サイトのH1候補を10案。ターゲット:20〜40代女性。トーン:高級感+やさしさ+安心感(誇大禁止)。
「便益(再現性)」「不安(ダメージ)」「差別化(専任制)」を織り込み、各案に採用意図コメントを。
- H1直下にサブコピーで「証拠」(件数・年数・検定)を置く
- ファーストビュー平均滞在秒
- LCP改善後のCTAクリック率
注意点:情緒過多はNG。「何を約束するか」を明確に。
4. ペルソナ別のトーン調整とマイクロコピー
狙い:同じ内容でも読者像に合わせて語彙とリズムを最適化。離脱を減らす。
- 読者像カード(年齢/状況/不安/達成したい状態)を定義
- ボタン/フォーム/エラー/ヘルプの文言を一括調整
ペルソナ:40代女性・子育て中。専門用語を避け、不安を和らげるトーンで、
申込みフォームの見出し・説明・エラー文・ボタンラベルを最適化。
NG:圧強め表現/OK:そっと背中を押す言い回し。
- フォーム内に「入力例」を即表示
- エラーは「原因→解決」の順で最短に
- 入力開始率/完了率
- 同一エラーの再発率
注意点:トーン統一の破綻を防ぐため、簡易ライティングガイドを先に作成。
5. 業種別FAQの高速プロトタイプ
狙い:「質問が分かる安心」を先回りし、問い合わせの質とCVRを上げる。
- 業種と顧客段階(認知/比較/行動直前)を指定
- 10問×簡潔回答+詳細ページへの導線を付与
不動産仲介向けにFAQを10問。段階:比較検討。
各Qに60〜100字の簡潔回答+「詳しくはこちら」用見出し案を付与。
トーン:専門的だが親しみ。法的断定は避け注記を。
- アコーディオンは開閉状態をURLハッシュで保持
- Qはユーザーの語彙で書き、社内用語は避ける
- FAQ閲覧後の直帰率
- 重複質問の率
注意点:法令・規約の更新忘れに注意。更新日ラベルを明示。
6. SNS連携用タイトルの設計
狙い:共感×数字×疑問でクリックの摩擦を下げる。
- 元タイトルを「共感/反証/HowTo」の3型×各3案に変換
- 媒体別の字数制約(X, Instagram, FB, LINE)を渡す
元タイトル「40代主婦でもできる副業5選」を
①共感 ②反証 ③HowTo の3型×各3案に変換。
Xは全角35字前後、絵文字は1つまで、数字を含める。
- OG title/description も同時に最適化
- デバイス差を踏まえ、前半で結論を提示
- CTR/CTA到達率
- 保存/シェア率(1週間)
注意点:釣りタイトルは厳禁。本文満足度が落ちると逆効果。
7. 画像のalt/キャプションの自動生成
狙い:アクセシビリティと文脈理解、SEOを1テキストで満たす。
- 画像の目的とページ主題を先に指定
- alt=見えない人向けの要約/caption=補足/figcaption=行動理由
「○○の事例紹介ページ」で使う写真。訴求は「導入後の改善数値の信頼性」。
SEO的に自然なalt(70字前後)、短いキャプション、figcaption(行動理由)を作成。
- 装飾画像のaltは空(装飾は読み上げ不要)
- キャプションには数値や出典を置くと信頼性が上がる
- 画像検索からの流入
- 読了率
注意点:キーワード詰め込みは避け、自然な日本語を優先。
8. 納品後の拡張提案メール
狙い:納品を関係の始まりに。次の価値を定常的に提示。
- 納品サイトのKPI状況(仮)+業界課題を組み合わせた3提案
- 軽・中・重の3段階依頼ハードルを用意
以下の納品情報と直近の業界課題を要約し、
(A)軽い相談(無料15分) (B)小改修 (C)継続分析サポート の3段階で提案メールを作成。
読み手:忙しい決裁者。200〜300字、圧は弱め。
- メール末尾に予約導線(カレンダーリンク)
- 「成果の再確認→次の一歩」の順で認知負荷を下げる
- 返信率/予約率
- 追加受注率
注意点:営業臭を抑え、「価値→選択肢→楽さ」の順で書く。
9. Web運用マニュアルのひな形
狙い:属人化を断ち、誰でも更新できる状態に。
- 画面単位で「目的→権限→手順→チェック→トラブル対応」を定型化
- スクショ差し込み位置の指示コメントまで生成
WordPress運用マニュアルの章立てを作成。
各章に「目的」「前提権限」「操作手順(番号)」「公開前チェック」「トラブル対処」を付け、
最後に“更新ルール”(見出し/画像/リンク/alt/タグ)をチェックリスト化。
- 見せ方は「画像→手順→注意」の順で視線誘導
- 1操作=1段落。番号先頭で道筋を明確に
- 更新所要時間
- 修正指示件数
注意点:CMSやプラグインのバージョンを必ず明記。
10. アンケート要約 → 改善と実行ステップ
狙い:「読んで終わり」をやめ、改善ロードマップへ直結。
- 設問ごとに満足/不満の決定因を抽出
- 効果×実装負荷でマトリクス化し、90日スプリントに落とす
アンケート回答CSVを要約し、満足/不満の決定因を抽出。
「効果(高/中/低)×実装負荷(高/中/低)」の9マス表に整理し、90日実行計画へ。
各タスクに担当ロールと評価指標を付与。
- ロードマップは週単位に区切ると進捗が見える
- 改善後の測定方法を先に定義
- NPS / CSAT
- 改善タスクの達成率・効果検証率
注意点:施策の同時多発を避け、WIPを制限。
運用フローのテンプレ
- 収集:ヒアリング/競合/既存資産
- 構造化:要件・仮説・KPIマップ
- 生成:H1/マイクロコピー/FAQ/タイトル/画像文言
- 公開:チェックリスト(LCP/FID/CLS+アクセシビリティ)
- 検証:イベント計測+アンケート
- 改善:90日スプリント
共通プロンプトの型(コピペ)
【目的】… / 【対象】… / 【制約】… / 【出力形式】見出し階層・表 or JSON /
【評価基準】KPIを明記 / 【注意】事実と仮説をラベル分け
まとめ
AIは「原稿生成」だけではありません。情報を構造化し、仮説を言語化し、行動へ接続する一連の流れでこそ価値を発揮します。上記10項目をフローへ差し込み、ヒアリング直後から納品後までを一気通貫で回しましょう。
